ベルジュロ・ティンパニ meets シエナ! レポート前編(1/2)

 

今回シエナ・ウインド・オーケストラ打楽器奏者である荻原松美氏のご協力により、フランス・ベルジュロ社のティンパニを第38回定期演奏会にて使用して頂きました。

荻原氏はInnovative Percussion、EVANSのエンドーサーでもあります。
プロ楽団としての最高の演奏を求められる場でこのティンパニがどう生かされたのか、また荻原氏がこのモデルに触れてみてのインプレッションをお聞きしましたので、「演奏会レポート編」「インタビュー編」の二回に分けてお届けいたします。

前編<演奏会レポート第一部編>

 

東京芸術劇場
9月21日、東京芸術劇場のある池袋は天候に恵まれ、会場は満員。人気の高さを伺わせます。
プロであれアマチュアであれ”吹奏楽の演奏会”となると吹奏楽部の学生や楽団の社会人、吹奏楽ファンなどの関係者ばかりが集まりやすい中、
この日は小学生からお年寄りまで幅広い年齢層のお客さんが非常に多くみられました。

ももいろクローバーより届いたお祝い花
ももいろクローバーより届いたお祝い花

またロビーではシエナ・ウインド・オーケストラと共演したアイドルグループのももいろクローバーよりお祝い花が届いていました。

——音楽の深さを垣間見せるシリアスな宮川氏の世界

今回指揮を務める宮川彬良氏によるご挨拶に始まり、実験的に行われた投げ銭コンサート企画について軽妙な話術を交えながら紹介。
吹奏楽の定番曲「星条旗よ永遠なれ」で幕開けです。
スネアドラムとローピッチのテナードラム2台を重ね厚みを増した打楽器のサウンドが、シエナらしい華やかな演奏に力強さを添えていました。

第一部のメインである宮川氏のオリジナル作品、吹奏楽のためのソナタ「ブラックジャック」。
漫画家・手塚治虫よりインスピレーションを受け、ブラックジャックというひとつの漫画のための音楽ではなく手塚治虫作品に共通する生命そのものを表した音楽作品になっています。
テレビの教育番組などで見せるコミカルな宮川氏とは違う、純音楽家としての宮川氏の壮大な音楽の世界。
胸に沁みいる旋律が渦巻き、音楽が膨らんでいきます。ソナタという古典的な形式でありながら現代音楽の手法も取り入れた立体的な響きが非常に印象的な楽曲です。
この作品ではティンパニに対して細かい音符も多く、明確な発音と音程感が求められます。
室内楽的な響きを醸し出す管楽器の演奏にベルジュロならではの柔らかさで寄り添いながら、荻原氏の繊細な演奏にもしっかりした発音で応えていました。

さて第一部最後はA.リードの代表作ともいえるアルメニアンダンスでした。
舞台やショーの世界をメインに活動されている宮川氏のタクトにかかれば、吹奏楽の定番もキラキラと豪華なサウンドに!
この曲ではティンパニが大活躍です。
ヘッドとマレットが優しくそっと触れあうようなピアニシモから咆哮のようなフォルテシモまで、音量の限界を求められるシーンにおいても常に存在感を保ちながら客席をシルクの柔らかな音色で包み込む。そんな印象の演奏でした。

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