ベルジュロ・ティンパニ meets シエナ! レポート前編(2/2)

(第一部レポートはこちら)

投げ銭と新聞風プログラム
投げ銭と新聞風プログラム

ところで今回の演奏会で実験的に行われた「投げ銭コンサート」。
入場の際にもらうユニークな新聞風のプログラムの中に紙幣のような紙と封筒が入っていました。
1シエナ1円という設定で演奏会終了後に「今日のコンサートの値段」を決めて、帰り際にボックスに投函するという仕組みです。
果たして総計何シエナだったのでしょうか?結果発表があるかもしれませんので、ぜひシエナ・ウインド・オーケストラ公式Facebookでチェックしてみてください。

——シエナの真骨頂!ノリノリの第二部

さて第二部はダンスを中心とした音楽によるポップスステージ。
宮川氏による”ダンス”と”音楽”の関係にまつわるトークで会場を笑いとワクワクで満たしたところで、ご自身編曲のシャル・ウィ・ダンスからスタート。
スウィング、マンボ、チャチャチャなどたくさんのラテンスタイルが目まぐるしく展開し、続く書き下ろし編曲作品”アクエリアス~レット・ザ・サンシャイン・イン”もシエナの陽気な演奏でノリノリな時間となりました。
宮川氏が踊ると団員の皆さんもつられて踊っていたのが印象的でした。楽しんで演奏しているのがとても伝わってくるところがシエナの素晴らしさですね。

演奏会ラストを飾ったのは「ウエスト・サイド・ストーリー」より”シンフォニックダンス”。
宮川氏が尊敬してやまないという作曲家L.バーンスタインの言わずと知れた名作であり、シエナのスペシャルなレパートリーです。
この作品ではクラシックからジャズ、ラテンなど非常に多くの音楽要素を用いています。
ティンパニにおいてはシエナの非常に明快でキレのある演奏とともに朗々と歌い、そのどれもが荻原氏の演奏に呼応しひときわ躍動感を与えていました。
特筆すべきはラストシーン。木管による美しい主題の繰り返しの中で、低音楽器によるピアニッシモのロングトーンが響きます。
息絶えるような…きわめて静かなティンパニのトレモロですが、ベルジュロの柔らかな音色と音程感がより一層感動的なクライマックスの演出を果たしていました。

アンコールはご自身のヒット曲「マツケンサンバ」、そしてお客さんも大勢参加して「星条旗よ永遠なれ」。
会場と一体となりもはやダンスをこえたお祭り状態の手拍子と楽しい演奏でコンサートは幕を閉じました。

入荷したティンパニを試す荻原氏
入荷したティンパニを試す荻原氏

実は荻原氏には本番3日前のリハーサルからベルジュロのティンパニを使用していただいておりましたが、たった数日でこの楽器のポイントを把握し完璧に使いこなしておられました。
氏の卓越した演奏により息を吹き込まれたベルジュロのティンパニは、最小から最大までのどの音量であっても常に柔らかく、深く、クリーミーな音色で濃厚に響き渡ります。
マレットが変わると少しずつその表情も変化しながら、やはり最大の特徴である深く響く音色が失われることはありませんでした。

グランドプロフェッショナルモデル
当日使用されたグランドプロフェッショナルモデル

この日使用されたのは、グランドプロフェッショナルティンパニ。やや角型のキャンバードタイプ、そして丁寧に仕上げられたハンマードモデルです。
このフランス製のティンパニは非常に興味深く、これまでにないティンパニのイメージを持っていただける。
そんな楽器であると確信しました。
より明るい音色のティンパニをお好みなら、キャンバードよりもパラボリックを選択するという手もあるでしょう。

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レポート後編は、後日荻原氏インタビューです。
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荻原松美 公式サイト