【ティンパニ後編】荻原松美氏が語る!2015課題曲マレット・ベストチョイス

 

これだ!というマレット選びのために

吹奏楽コンクールの課題曲は審査員がもっとも注目して審査する重要な楽曲。よりよい音色で演奏するために、まずは今お使いのマレットを見直しましょう。
Innovative Percussionでは個性的なシリーズが多く出ていますが、どうやって選んでいいかわからないと悩んでおられる方もいらっしゃいます。
国内最高峰の吹奏楽団として高い人気を誇るシエナ・ウインド・オーケストラの打楽器奏者、荻原松美氏にマレットのおすすめ、そして正しい選び方をうかがいました。
なおこのページ内でご紹介いただいたマレットはページ下部に掲載しております。

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前後の硬さを使い分ける

―マレットを持つ場所は常に同じ部分ではないのですね。

荻原氏 はい、例えばテーパーのかかっているGTシリーズですと、グリップエンドが手の中におさまるくらいに持ったほうがいいかもしれないですね。
力の弱い初心者にはGTシリーズが一番使いやすいでしょう。

―マレットの各硬さの使い分け方はどうお考えでしょうか?

荻原氏 日を追うごとにバンド自体が育っていきますので、最初は2がよくてもバンドの演奏が変わってくれば1のほうがよくなることもあります。
また、会場にいって他の団体を客席で聞いてみることが出来ればいいですね。それでマレットを変えてみる、と。
いずれにしてもひとつだけを持つというのは危険かなと思います。その前後を持っておいて、状況によって変えていくのがいいです。
またEVANSストラータのようなすごく深い音がするヘッドの場合はちょっと硬めのマレットがいいですね。
逆にホワイトヘッドだと明瞭に音が出るので、より深めのマレットがいいと思います。

マーチでも硬さの中に深みを

―ところでマーチにもティンパニの出番があります。

荻原氏
マーチの場合は硬いほうがいいですね。はっきり弾く。僕が良く使うのはBT-6ですね。これはめちゃくちゃ良い。
軽く弾くだけでしっかり鳴ってくれます。
GT-4はもう少し深みが欲しい時に。GT-4は初心者でもすごく明瞭な演奏をしやすいです。先細りしているのが演奏のしやすさに関わってきてるのかな。IVのマーチなんかはBT-5GTX-4が最適かな。
ロールのしやすさのお勧めでいうとGTXがいいですね。勝手に転がってくれるというイメージ。
重さのバランスでシーソーのように戻ってくるんですよ。ほんの少しの力だけで転がってくれるのがいい。

―硬く粒立ちをハッキリと演奏したい場合は出来るだけハードを選びがちですね。

荻原氏 そうですね、それよりは一段柔らかいマレットを使うことで深みのある演奏ができます。
ただしホール練習するとワンワン響いちゃうんで、指揮者にはもっとハッキリ出せ!と言われることもあるんですね。
そういうときにうっかり一番硬いやつを使っちゃうとペチペチとした音になりやすいので気をつける必要があります。
実際のホールはお客さんが入るとある程度音が吸われますから。
自分(演奏者)のところで良い音だなと思っている範囲は超えないほうがいいです。

最も深みのあるGTX


―課題曲IIIはどのような練習が必要でしょうか。

荻原氏 この曲は西村朗さんの作風が現れているので、西村さんの 作った曲を研究したいですね。
ティンパニの場合各インチでの最高音に近い、ヘッドを非常に張った状態で演奏をしなければならないので、楽器の深みを引き出せるようなマレットを。
しかしある程度粒立ちも出さなきゃいけないので、私ならBT-5GT-5GTX-5をおすすめします。
GTXは最高に深みは出やすいし、BT-5は細かい3連符をやるには最適です。GTはその中間。

―深みを出したい=ソフトマレットと考えがちですが、そうではないと。

荻原氏 あくまでハードの中で深みを感じるバチを使いたいですよね。
GTのテーパーは人によって好みがありますが、初心者的にはGTシリーズがいいと思います。
慣れてくるとストレートのGTXがロールもしやすくなります。万能なのがGTX-3なんですよ。
GT-3にもいえるんですが、硬さと豊かな音色を備えてるのが3番だと思うんですね。
大編成でやったときにバーンと力強い演奏するような団体だとBT-6は硬すぎる可能性があります。
皆さんが大音量出せる大きい編成だったらBT-5~6ですね。
最後全員でGを弾くときにGT-4のほうがより深く鳴るんで、3連符がハッキリしなくて困るということがなければ、GT-4がいいと思います。
半音の違いを出さないといけないので適切なチューニングができる状態じゃないと厳しいです。
この曲は多少暗めな感じがありますのでヘッドについてはEVANSストラータがいいですね。

―最後に課題曲Vについて。

荻原氏 まず明快なタッチが必要です。
鋭さがほしいので早く弾くことで音色が広がってビシャビシャっとした音にならないように、音色に気をつけながらスピード感を出せるといいですね。
GT-4BT-5あたりで攻めましょう。練習番号Jの前後に限っていうとBT-4でもいいと思います。

―BTシリーズは8種類が出ていますが、それぞれ選ぶ基準は?

荻原氏 まずBT-5がメインです。ティンパニは明確かつ力強さを求められるものなんですが、それで5を選びます。
そこからもう少しはっきりしたい時にBT-6。音がちょっと細くなりますが、カマの深さを出しながら細く明確に出せます。
最も明確な時にはBT-7がいいですね。逆に5よりもふくよかさをが欲しい時はBT-4
BT-1はロールをするのにゴツゴツしやすいんですよ。ppからfの間なら使えます。太さとロールを考えるとBT-2でやったほうがいいですね。

 


ご紹介いただいたティンパニマレット

バンブーシリーズ
プロのティンパニ奏者に向けて作らたティンパニマレットの最上位モデル、竹製ハンドルのマレットです。8種類の硬さや材質のヘッドから選択できます。一定の直径で加工された滑らかな竹製ハンドルが魅力です。


BT-4 ジェネラル<推薦曲:V >
長さ:39.37cm?シャフト直径:13.0mm
定価:8,700円(税抜き)

BT5 BT-5 ミディアムハード<推薦曲:I / III / ?IV / V>
長さ:39.37cm?シャフト直径:13.0mm
定価:8,700円(税抜き)

BT-6 スタッカート<推薦曲: II / ?III / IV >
長さ:39.37cm?シャフト直径:13.0mm
定価:8,700円(税抜き)

 

GTXシリーズ
まっすぐなメイプルウッドハンドルが音の重みとしっかりとした発音を可能にします。
ウッド芯にドイツ製の高品質なフェルトで被せ、高級感ある音質を可能にします。硬さは5種類から選択することができます。

GTX-3 ミディアム・ジェネラル
長さ:37.40cm?シャフト直径:16.5mm
定価:5,600円(税抜き)

GTX-4 ハード・スタッカート
長さ:37.40cm?シャフト直径:16.5mm
定価:5,600円(税抜き)

GTX-5 ウルトラスタッカート
長さ:37.40cm?シャフト直径:16.5mm
定価:5,600円(税抜き)

 

GTシリーズ
多くの教育者や演奏者からのリクエストをもとにデザインされたマレット。
細くて軽いメイプル製のユニークな形状のハンドルを採用し、?ほどよいバランスを実現。ドイツ製高品質フェルトを使用。

GT-4 ハード・スタッカート
長さ:37.40cm?シャフト直径:16.5mm
定価:5,600円(税抜き)

GT-5 ウルトラスタッカート
長さ:37.40cm?シャフト直径:16.5mm
定価:5,600円(税抜き)

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荻原 松美氏

荻原 松美氏プロフィール

長野県出身。国立音楽大学卒業。大学在学中に「シエナ・ウインド・オーケストラ」のオーディションに合格し、入団。
オーケストラや打楽器アンサンブル、「劇団四季」「東京宝塚劇場」などのミュージカル、タレントのバックバンド等、
クラシック・パーカッションのみならず、ドラムセットやラテンパーカッションをも操るマルチ・プレーヤーとして、様々なコンサートやレコーディングに参加。
現在、「シエナ・ウインド・オーケストラ」のティンパニ及び打楽器奏者、上野信一&パーカッショングループ“PHONIX”のメンバーとしても活動。
長野県小諸高等学校非常勤講師。尚美ミュージックカレッジ専門学校非常勤講師。
Innovative Percussion、EVANSヘッドのエンドーサー。

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